2020/06/05 15:41

 香港発の新しいスタイルの室内アンサンブル“Sea Island & Ferry / 海島小輪”は、2019年2月那覇市桜坂で開かれた街フェス”Sakurazaka ASYLUM(サクラザカ・アサイラム)”に出演してくれました。
 先月、ニューアルバム「Telescope」リリースの知らせを受けて、1stアルバム「Crossings」と合わせて取り扱いを始めました。
 ピアノ、サックス、チェロ、シャオチャイニーズ・フルートなど、西洋楽器と中国の伝統楽器を組み合わせた珍しい編成で、香港のネオチェンバー・アンサンブルを自称しています。室内楽にカテゴライズされるとは思いますが、クラシックからジャズ、ワールドミュージックの要素まで、とても自然な形で融合されていて、まるで音楽から物語が浮かび上がってくるようです。

 

 香港は政治的な問題に加えてコロナウイルスの影響も受けています。彼らの音楽はインストゥルメンタルですが、そうした社会的な空気がしっかりと反映されています。例えば、1stアルバム「Crossings」に収録された「Adrift」は近年のヨーロッパの難民危機を受けて書かれたもの。「Living Under Water」は、トランスジェンダーの人との会話から着想を得た曲です。
 また新作「Telescope」に収録された「Cotton Tree」は、気候変動のために正常な開花を妨げられている木の物語。「Tropic of No Return」は、渡り鳥が南下するという比喩を用いて、近頃、香港で再び現れた移住の傾向を探っています。
 様々な想像力を掻き立ててくれる彼らの音楽は、気持ちをとても豊かにしてくれるはずです。



 コロナ禍と政情不安な香港での音楽活動について、リーダーで作曲家・ピアニストのアーノルド・ファンさんに話を聞きました。以下のリンクからご覧になれます。
Living with Music Vol.15
〜Arnold Fang / アーノルド・ファン(香港)

◎CD購入は以下のリンクから

Sea Island & Ferry / 海島小輪「Telescope」(CD / 2020)


Sea Island & Ferry / 海島小輪「Crossings」(CD / 2018)