2020/04/14 17:39

 "LISTEN TO MUSIC, DRINK BEER, MAKE FRIENDS / 音楽を聴いてビールを飲み、友達を作ろう"。
 そんなシンプルなコンセプトで行われる韓国・ソウルの"Zandari Festa (ザンダリ・フェスタ)"は、毎年秋口の心地よい季節にソウルのホンデと呼ばれる学生街で開催される。約15ヶ所の会場に世界中のバンド約100組が出演してしのぎを削る、インディペンデント・ミュージックのショーケース・フェスティバルとしてはアジア随一の規模と知名度を誇るフェスティバルだ。その魅力はミュージシャンと観客、世界中から集まる音楽関係者の距離の近さ。ここをきっかけに世界へと羽ばたいたバンドは数知れない。

 個人的にも出会いの場でもある。今年Sakurazaka ASYLUMに出演してもらったタイのシンガーPYRAとの出会いは、昨年のZandari Festa。一昨年は、沖縄のHARAHELLSが、カナダのフェスのディレクターの目に止まり、カルガリーのフェスに出演した。韓国のスケーターパンクバンドDrinking Boys & Girls Choirは、沖縄に招く計画もある。


 現在、今年10月に開催される" Zandari Festa 2020"の出演アーティストの募集が行われている。
 世界中が新型コロナウイルスの影響下にある中、状況は不透明と言わざるえない。しかし海外を目指すバンド、そして現在は特に海外マーケットを視野に入れていないバンドも、いろいろな意味で、まずは応募してみることをオススメする。

" Zandari Festa 2020"応募要項

開催日程:2020年10月8日(木)〜11日(日)
開催場所:韓国・ソウル市

応募方法
以下のサイトから申し込み。

応募締切:2020年5月31日(日)
応募条件:過去3年以内にEPまたはアルバムをリリースしていること。
     過去2年間定期的にライブ活動を行っていること。
     韓国・ソウルまでの旅費(航空券代・宿泊費・地上交通費等)を自身で準備できること。
     自国で経費的な支援を探すことをお勧めする。支援を得るにあたって主催者側からの必要な書類があれば準備も可能。
     エレクトリック・アーティストは、DJセットではなくライブ演奏が可能なこと。
     バンドセットでパフォーマンスを行うヒップホップ・ラップのアーティストは優遇。

目に見えない壁をつき抜けるためのきっかけに。
 現在は、SpotifyやApple Musicなどのサブスクを通して、クリック一つで自作の音楽が世界の隅々まで届けられる。2010年代初頭には遠い未来の話でしかなかったことが、いつしか当たり前のことになっている。世界のどこに自分の音楽を聴いている人がいてもおかしくはないのだ。
 ウェブ上の音楽をきっかけに繋がったバンドとリスナー、そのエンゲージメントが広がっていくと、やがてより直接的なつながりも求められるようになっていく。そうした流れは、バンドのマインドの変化にも確実つながっていて、アジアのインディーズ・バンドの中には、意識的に海外ツアーを行うバンドも多い。マネージメントのスキルも独自に身につけたバンドの中には、より大きな成功を手にするものも増えている。

 "Zandari Festa"をはじめ、世界のあらゆるフェスティバルで重視されるのは、ライブ・パフォーマンスだ。熱量を持ったライブは言葉の壁をものともしない。過去そうした場面にはいくつも出会ってきた。
 世界の音楽シーンがそのように流れていく中、日本のマーケットしか視野に入れないということにもはや意味はない。おそらく"Zandari Festa"は、(出演が叶おうが叶うまいが)目に見えない壁をつき抜けるための一つのきっかけになる、そう確信する。