2019/09/19 15:49



 「このアーティストの公演を沖縄で開催できる可能性はありますか?」。

 ある時、知り合いの音楽ディレクターの紹介で、東京のイスラエル大使館の文化担当部署の方からメールが届いた。こういうことは度々あって、海外のバンドから直接メールが届くことも日常茶飯事だ。映像や音源を見て、聴いても、公演を実現できるケースは多くはないのだが、今回は違った。
 そのYemen Blues(イエメン・ブルース)というバンドの「Satisfaction(サティスファクション)」という曲のプロモーション映像を見て、何とかしなければと直感したのだ。

Yemen Blues Feat. Oxmo Puccino "Satisfaction"
 Yemen Bluesは、イスラエル出身のシンガーで作曲家のラヴィッド・カハラーニーが中心となり2010年に結成された。メンバーは、ニューヨーク、ウルグアイ、テルアビブと別々な土地の出身で、イエメン、西アフリカ、ラテン、ジャズの影響と、ラヴィッドが「ニューカルチャーミュージック」と呼ぶ音楽を組み合わせて、力強いグルーヴを生み出している。動画を通して聴いたその音楽からも、なんだか得体の知れない力を感じることができた。

 デビュー以来、世界各地で様々なフェスティバルに出演し、多くのツアーを行ってきた彼ら。2015年には、ビル・ラズウェルのプロデュースでアルバム「インサニヤ〜人間性」を発表、世界中で大反響を巻き起こしている。

 今回の沖縄公演は、ラヴィッドと、ベース、ウード奏者のシャニール・ブルーメンクランツの、デュオでのライブとなる。「ある種の親密さと、爆発するエネルギーが共存するようなステージになるよ」とラヴィッドは言う。

 エルサレムの旧市街の路地裏でラヴィッドが歌う映像からは、古典音楽が民謡、ポップスと変遷し、進化を遂げる過程を垣間見るようだった。プリミティブさとモダンなエッセンスが独自に融合するパフォーマンス。そこからは音楽を通して、まだ見たことのない風景が見えてくるはずだ。

 Yemen Blues "Jat Mahibathi"
https://www.youtube.com/watch?v=H-k37Kbnov0
(ロケ場所は、エルサレム旧市街の路地裏。サイコーです)

 今年は、Yemen Bluesに続いて、10月22日に、J.Lamotta すずめ(琉球新報ホール)、11月4日には、MC GAZA(桜坂劇場)と、イスラエルのアーティストの来沖公演が続く。様々な宗教や文化が交差する彼の地で生まれる音楽は、沖縄でも確実に新たなインスピレーションを与えてくれると確信する。

Yemen Blues / イエメン・ブルース
Japan Tour 2019
サポートアクト:TOSH
DJ:しゅうHATE!!
フード出店:Lamp・さんご座キッチン

9月21日(土)桜坂セントラル(那覇)
開場17:30 開演18:00
一般前売3,000円 当日3,500円
高校生以下当日のみ1,500円(要ドリンクオーダー)
プレイガイド:Music from Okinawa web shop・桜坂劇場・e+・ローソン(Lコード84348)

問合せ・予約=桜坂劇場098-860-9555