『沖縄島唄 / OKINAWA SHIMAUTA 2017』
収録楽曲
01. 花笠節 / 歌 三線・神谷千尋・神谷幸裕
02. 廃藩の武士 / 歌 三線・当山賢理
03. でぃらぶでぃ節 / 歌 三線・与那覇歩 太鼓・伊波はづき
04. 南洋小唄 / 歌 三線・よなは徹
05. 片思い / 歌 三線・大城クラウディア
06. 白雲節 / 歌 三線・仲宗根創
07. 舞方 / 歌 三線・当山賢理・仲宗根創・よなは徹 太鼓・仲宗根創
08. 汗水節 / 歌 三線・新垣成世
09. 物知り節 / 歌 三線・当山賢理
10. 多幸山~アッチャメー小 / 歌 三線 太鼓・仲宗根創 指笛・徳里隆行
11. 親がなし / 歌 三線・徳里隆行
12. 池端ぬ恋 / 歌 三線・仲宗根創・新垣成世
13. 天川 / 歌 三線 当山賢理・徳里隆行・仲宗根創・よなは徹
三板・新垣成世 太鼓・仲宗根創
14. ドゥナンスンカニ/ 歌 三線 与那覇歩
監修:宮沢和史
カバーイラストレーション:豊永盛人
Music from Okinawa/MfO-006/税抜2,314円(税込2,500円)
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<プロダクションノート>
沖縄音楽。
その海外での失われた20年を
改めて手元に手繰り寄せる。
桜坂劇場(株式会社クランク)では2014年から「Music from Okinawa」として、沖縄音楽を海外に紹介する事業を行っています。主にポップスやロックを中心にしたコンテンポラリーな音楽を発信していますが、歌三線を基調としたオーソドックスな沖縄の歌を求められる場面に出会う機会が多くありました。
1980年代後半から90年代初頭にかけてのワールドミュージックのブームの最中、喜納昌吉&チャンプルーズ、ネーネーズ、りんけんバンドなど、沖縄民謡と洋楽をコンデンスした音楽を表現する数多くの沖縄のアーティストが海外で紹介されました。この大半は大手のレコード会社の後押しによるものでした。しかし、このブームが去った後、20年以上に渡って海外のマーケットに沖縄音楽が紹介される機会は激減しました。
現在、海外のワールドミュージックのマーケットで名前が挙がる沖縄のバンドは、先に紹介した3組の場合がほとんどです。この間ワールドミュージックシーンにおいて沖縄音楽の情報はアップデートされてこなかったわけです。
「沖縄島唄 / OKINAWA SHIMAUTA 2017」は、オーソドックスな沖縄民謡だけで構成されていますが、沖縄音楽の海外での失われた20年を埋め戻すきっかけにしたいということも、出発点の一つとなっています。
“2010年代後半における新しい世代の唄者を世界に紹介する”、ということを考えた時に、真っ先に名前が浮かんだのは、宮沢和史さんでした。宮沢さんはTHE BOOMでの活動中から沖縄音楽に傾倒し、約250人の唄者の曲を収めた「唄方」という沖縄民謡のアーカイブのCDを制作中でした。過去から現在に連なる沖縄民謡の状況を、音楽家として誰よりも知るのは明らかでした。またワールドミュージックへの造詣も深いということもあり、アルバムの監修を依頼しました。
「本物の沖縄の島唄を伝えたい」という宮沢さんの想いにも合致して制作がスタートしたわけです。
このアルバム「沖縄島唄 / OKINAWA SHIMAUTA 2017」は、アーカイブではなく2016/17年現在における沖縄民謡のまさに旬の音。ソロ、デュエット、合奏と様々な表情の歌三線を、じっくりと楽しめる、長く聴ける一枚に仕上がりました。
このアルバムは今後、海外でのディストリビューション(流通)も視野に入れています。その一つの足がかりとして、楽曲の英文解説を無料でダウンロードできるサイトも準備しています。海外の音楽ファンにも、沖縄の島唄の背景や想いにより触れてもらいたいと考えます。
カバーのイラストは、人気の琉球張り子作家の豊永盛人さんによるものです。
野田隆司(Music from Okinawa)